漫画家になるには?そして漫画家として食べていく新たなキャリア作り
この記事は漫画家を目指している方とすでに漫画家としてデビューしたが雑誌以外のキャリアもお考えの漫画家の方に向けて書いています。
漫画家と書いていますが定義として漫画を描いてある程度の収入がある人・・・とします。
漫画家になりたい方にはよりスムーズに漫画家になる方法がわかるように、すでに漫画家である方にはその実力を雑誌以外でも活用していく術を書いています。
記事の内容は
1:漫画家のなる方法
2:漫画家として必要な力
3:漫画家としての力を上げる方法
4:漫画以外で学ぶべきこと
・・・・となります。
この記事を書いているのは『県庁の星』『山形スクリーム』など映画化されたメディアミックス作品にも参加し、国内外で80万部を発行した漫画家の今谷鉄柱が書いています。2020年には新一万円札のお札の顔になり、2021年の大河ドラマの主人公でもある渋沢栄一氏の『論語と算盤』漫画版の出版が決まっています。現在はビジネス書や起業家の方のPR用のマンガ冊子などの仕事を中心にして1500万円以上の売り上げがあります。雑誌で連載の仕事をしていなくても売り上げを上げる漫画家のキャリアの築き方についてもこの記事の中で書いていきます。あなたの漫画家の方向性のヒントにしてください。
漫画家になる方法
漫画家になる方法はいろいろあります。
オーソドックスなものから新人賞への投稿、持ち込み、SNSへの投稿、などがあります。
>投稿
雑誌やweb媒体が募集している新人賞に応募する方法です。
最近は雑誌でも新人賞の募集がなくなっていく傾向でどんどん狭き門になっている気がします。しかし、自分が好きな雑誌で連載が持ちたい!そんな思いを持っているかたには一番オーソドックスな漫画家への登竜門が新人賞の応募することです。WEB媒体でのマンガサービスなどは比較的その媒体の編集者とのコネが作りやすいみたいです。しかし、これまで雑誌を作ってきた出版社にいるような企画力があり、プロデュース能力のある本物の編集者の割合は少ないので自分自身で実力を上げ、企画を起こし、プロデュースしていく能力が必要になります。反面、ネットの特性として「今、世の中で〇〇が熱い!」的に題材を振ってくれ企画が決まることもあるので漫画さえ描ければ不満なし!という人で一定の実力があれば仕事はしやすいかもしれませんしかし余程の人気作とならない限りギャラは安いと思います。
>持ち込み
紙媒体の雑誌は今も電話を受けてもちお込みを受け入れてくれる雑誌があります。
持ち込みのいい部分は完成原稿さえあればプロの編集者に絶対に見てもらえて意見をもらえる・・・・・・ということです。その編集者が気に入ってくれればいきなり担当がつく・・・ということもあります。完成原稿が未熟だと編集者の対応が「冷たい」「その場の空気がいたたまれない」・・・・・・などの地獄を味割ることになりますがそれでもプロの意見が聞けることは大きな一歩、前進になります。ちょとやそっとでへこたれないガッツのある人、自分の完成原稿に自信がある人は試すと大きな実りがあると思います。
持ち込んだ先の編集者の人の意見が「ごもっとも!」「わかりやすいダメ出しだ!」「またこの人見て欲しい」なんて感じたら是非「じゃ、次ご指摘ただいた〇〇を修正してきます!次また見ていただけますか!」と次回訪問の約束をしましょう
投稿も、持ち込みも一回で終わり・・・・という人が多いそうです。自信作を持ち込んで色よい返事がもらえないと落ち込む気持ちもわかります。私も何度けちょんけちょんに言われたことか・・・・でも、もし、その編集さんの意見が納得いくものでこの人と一緒にまんが作るといい作品ができるかも・・・そんな気持ちが持てたらない次回の約束をしてもらうか、少なくとも次回修正点を反映させたらあってもらう約束をしましょう。一生懸命で礼儀をわきまえた上でやる気のある人は応援したくなるものです。
>ユーチューブ作家
現在ユーチューブで漫画素材を使ったスライドショーのような動画が流行っており、そこでチャンネル主の方からもらった原作を漫画にするという仕事もあるようです。こちらは比較的デビューwもそやすいでしょう。ギャラはそのチャンネルによってまちまちです。ギャラと労力を考えてご自身でOKだったらチャレンジするのもいいかもしれませn。
>ビジネスに漫画を提供している会社へ登録する
世の中にはビジネスでマンガを使うというサービスを提供している会社があります。
これも新たな漫画家の稼ぎ方の一つになっています。私もこの仕事を中心に1500万円以上の売り上げを上げています。
具体的にいうと会社のPR小冊子やリクルート用のマンガ冊子などの制作をしています。
こういう会社に漫画家として登録するコースも漫画家になる一つの道です。
この道筋も比較的デビューはしやすいですがギャラは安いです。仕事を受注した会社がほとんどの制作費をとり漫画家へのギャラは抑えられています。
これは受注会社が悪い!ということではありません。
仕事を作り出し、受注することは大変な知識と労力が必要なため仕方がないことなのです。
>自分でマーケティングしてお客様とつながる
私の場合は自分自身でマーケティングし、自分で企業さんから受注しているため高単価で仕事をやらせてもらっています。
このようにビジネスの現場で仕事をする場合、このようにどこかに登録して仕事をもらうパターンと自分でマーケティングを覚えて仕事を受注するパターンがあります。
漫画の技術を上げ、いつも学んでいく時間と予算を手に入れるためにも自分で仕事をとる技術をつけることが大事だと思っています。
もしくは漫画家にふさわしいギャラを支払ってくれる会社と契約することが大事です。
漫画の始め方
漫画家になる入り口はわかった!でも、その漫画自体どうやって描くのかも知りたいんだ!そんな方へのお答えのコーナーです。
漫画の始め方については以下の通りです。
>自分で独学
昔からほとんどの漫画家は独学で漫画家になっています。私もそうでした。ネットの普及により昔に比べより何をやればマンガ描けるようになるのか?という問いの答えを得やすい時代になっています。アナログでの制作方法、デジタルでの制作方法・・・・なんでも手に入ります。
でも、やはり一人で創作活動をやっていると何かと心細いことが多いです。
出来るだけ早く、一本のマンガを完成させて編集部に投稿、SNSに発表して作品について語り合える相手を見つけることが大事になります。
>専門学校
専門学校ですと体系的にマンガ作りを学ぶことができます。ですがあくまで専門学校であなたはお客様。よほど自分で『絶対漫画家になる!』という強い気持ちを持っていないとどうしても甘えてしまって高い月謝が無駄になります。
>アシスタント
新人賞に入選したりするとその雑誌で連載している先生のアシスタントを紹介してくれることがあります。仕事のクオリティがどれくらいのレベルかがわかるので一度は経験するのもいいともいます。昔は漫画家先生に直接連絡を取ることはできませんでしたが今はSNSで直接連絡することができます。自分の技術があれば直接アシスタントに申し込むことも可能です。礼儀正しく。
漫画家に必要な力
>想像力
漫画家には実際経験していないことをイメージして頭にうかべる想像力が必要です。
人の感情を推し量ったり、この感情を生むにはどういうエピソードがあると必要か考えたりする力が必要ということです。
もう一つの《ソウゾウリョク》創造力というものがあります。これは今までになかったものを作り出すことです。
どちらも必要ですがより想像力の方が必要だと思います。
>構成力、編集力
ストーリーを作るときはページ数などによってエピソードのカロリー計算をしなくてはなりません。エピソードの数、話の順番、キャラクターの配置・・・・などなど最善の選択をできるように構成力、編集力をつける必要があります。
>画力
画力を上げていくことは必要です。ですが一般的な上手い下手ではなくどれだけ自分の絵を突き詰めるかが大事になります。鼻の穴を描くのか?目の大きさはどうする?キャラの頭身はどうする・・・などなど、自分の作風と自分の好みで決めていかねばなりません。めちゃくちゃこだわる人もいますし、あまり絵にこだわりのない漫画家さんもいます。今はやりの絵に合わせることも大事ですが描いていて「楽しい!」ということが長く書き続けるには大事になってきます。
>自分をプロデュースする力
雑誌の中にどんな作品で切り込んでくか?今時代に何を描いていくか?自分の得意なことは何か?など自分が描けるマンガをどんなものか?など自分自身で自分をプロデュースする力が必要です。
マンガの上達方法
>画力&構成力アップする方法
~作品のコピー
一番いいいのは自分の好きな作品を完コピすることです。キャラクターからバックの風景、効果線の使い方、トーンの配置のし方などなど一冊まるごと完全にコピーすることで構図、構成、仕上げなどかなりの力がつきます。
これは地味ですし、やる人は実際少ないです。が、やると確実に力がつきます。
すごく力がつくのですがやらない人がいる理由は「その作家さんの絵に似てしまう」・・・ということ。
でも、ご安心ください。どれだけ一冊コピーしてもあなたの個性は絶対消えません。
とっとと一冊完コピして実力をつけてその上で個性を発揮していくのが遠回りなようで一番の近道です。
一冊完コピしてみたらわかりますが、その時は自分の頭の中のアイデアがしっかりとマンガのコマ割り、構成となって原稿の上にスルスルと現れることにびっくりすることでしょう。
絵が下手、構成ができない・・・・そんな悩みをお持ちの方はマジで騙されたと思ってやってみてください。
>人に見てもらう
上手くなるには人に見てもらうことも大切です。編集さん、漫画を描いている友だち、マンガを描かない友だち、などなどどんどん見せて意見を聞いてください。
でも、友だちはなかなか正直な意見をくれません。気を使ってくれます。
厳しい言葉ほど自分の糧になります。是非、ガンガン人に見せて厳しい意見をもらってください。
>最後まで描く
漫画家志望の人でここができていない人がいます。アイデアを思いついて『これは面白くなる!』と思ったのに途中でどんどん自分の作品を信じられなくなり、途中で描くのをやめてしまうことがよくあるのです。だからどんどん描くスピードを上げてガンガンアイデアを形にしていきましょう。描き始めた作品は絶対に完成させましょう。マンガのスピードアップするにも好きな漫画の完コピが役に立ちます。
>自分の下手さに気づくことの素晴らしさ
描いて完成させる。その時は一番いい絵を入れた・・・と思うのですが後で見ると自分の下手さに吐きそうになることがあるでしょう。または描いてる途中で自分の下手さに嫌になることもあるでしょう。でも、そんな時はそれを逆に上手くなるきっかけに使いましょう。自分が下手な絵が人の手だったら、それをノート一冊描いて実力をあげるとか・・・やるべしです。
マンガ以外の勉強
>好きなことを極める
本、映画、マンガ、ゲームなど自分の好きなことをとことん楽しむことです。
そして楽しんだ後になぜ楽しいのか?面白いと感じるのか?それを分析することが大事です。
「面白い!」と思ったことを「なぜ面白いのか?」「なぜ泣くのか?」「なぜスカッとしたのか?」などを感覚ではなく文章化などして意図的に使えるようにすることが大事です。
是非みなさん、バリバリ描いてください!
この記事はどんどん加筆修正を加えてより良いものにしていきます。質問があればコメントください。